普通の人間が普通のことを書くブログ

日記、自動車関係、カーシェアリングを中心に思ったことをつらつらと書きます。

新型プリウスPHVの残念な太陽光充電システム

新型プリウスPHVが先日発売されました。このデザインが新型プリウス(PHVじゃない方)に採用されていたらと思いますが、デザインではなく太陽光充電システムを分析してみます。 新型プリウスPHVには先代に続いて太陽光充電システムが搭載されています。このシステムは調べれば調べるほど残念なシステムであることが分かったので、以下に概要をまとめます。

システム構成

日経BPこちらの記事に以下の記述があります(一部抜粋)。

この太陽光による充電システムは、太陽光パネルのほか、発電した電力を蓄えるニッケル水素電池、DC-DCコンバーターを内蔵したECU(電子制御ユニット)で構成する

残念な点その1:太陽光充電システム専用のバッテリーが搭載されている。 太陽光パネルで発電された電力は、一時的に専用バッテリー(ニッケル水素電池)に蓄えられ、専用のDC/DCコンバーターを介して12Vバッテリー(走行中)や駆動用バッテリー(駐車中)に充電されるようです(参考)。つまり、太陽光充電システムのバッテリーやDC/DCコンバーターは発電した電力を貯蔵または変換する(右から左へ受け流す)だけの役割でしかなく、はっきり言ってコストアップ、電力損失の要因でしかありません。 素人目には太陽光パネルで発電したものを、12Vバッテリー⇔駆動用バッテリーのDC/DCコンバーター(補機用コンバーター)に入力し、変換すればよいのではと考えますが、トヨタはそのようなシステムにしていません。

なぜこのようなシステムになるのか?

理由の2つあると考えています。1つは補機用コンバーターの制御が複雑となり、開発リスクが増大すること。もう1つは、組織の壁です(以下、完全に推測です)。ハイブリッド系(駆動系)を開発する部隊と、ソーラー系を開発する部隊が全く別々で、両者の連携がうまくいかないと判断されたのではないでしょうか。そのため、それぞれの部隊で閉じたシステムを開発することになったのでは… 残念な点その2:損失が大きい。 もう一度こちらのページを見てみます。グレーの文字で読みにくくなっていますが、以下の記述があります。

■ソーラーECU損失:19% ■その他損失1(配線・バッテリー充放電・制御損失):31%

ソーラーECU損失というのは、ソーラーECU(太陽光充電システムの制御用)を動かすために必要な消費電力分だけ電力損失があるということを意味します。その他損失1の配線損失はワイヤーハーネスの抵抗による発熱損失、バッテリー充放電損失はバッテリーの抵抗による発熱損失、制御損失はDC/DCコンバーターの電力変換損失をそれぞれ意味します。つまり、太陽光充電システムを動かし、充放電をするだけで発電電力の半分が失われてしまうのです。太陽光というとエコな印象はありますが、実際はかなりの部分が電力損失として失われ無駄になっています。 上記のように、まだまだこの手のシステムは改善すべきところがたくさんあるように思います。しかし、組織的な問題もあり、思うように改善が進んでいないのが現状と考えます。逆に技術的な課題はあまりないように思います。一方、テスラのような新興企業はレガシーシステムにとらわれない最適なシステム設計ができるのではと思います(組織の壁はあるかもしれません)。