普通の人間が普通のことを書くブログ

日記、自動車関係、カーシェアリングを中心に思ったことをつらつらと書きます。

メータとヘッドアップディスプレイの関係

ジュネーブモーターショー2017でCitroenが「C-Aircrossコンセプト」「SpaceTourer 4×4 Eコンセプト」などを公開しました。個人的に気になったのは「C-Aircrossコンセプト」のコックピットです。これが非常に合理的で、将来のコックピットのあるべき姿に近いのではないかと思いました。

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CarWatchより引用)

この車にはヘッドアップディスプレイ(HUD)とナビと思われるデバイスはありますが、メータが見当たりません。これは今後のCitroenにはメータの代わりにHUDを用い、現状のコックピットを更に進化させていくという意志表示ではないかと推測します。HUDにAR方式ではなく、あえてコンバイナー式を使っているのは、AR方式だと写真では伝わりにくいからでしょう(あくまでもコンバイナー式はメディア用)。

現在、自動車メーカ各社で採用されているHUDにはメータ(速度、各種インジケータ等)やナビ(進行方向、ナビ案内等)の情報が表示されます。HUDを装備してもドライバーに伝わる情報量は増えておらず、別にHUDは無くてもいいのですが、逆に言えば、メータやナビの情報を全てHUDに表示できればメータは必要ない、とも言えます。しかし、これを実現するには現状のHUDの解像度ではまだまだ不十分で、仕方なくメータとHUDの両方を併用しているというわけです。

今後のメータがHUDに置き換わる可能性がCitroenによって示唆されました。国内ではメータは日本精機や矢崎総業デンソーが主なサプライヤですが、これらの会社は全てHUDのサプライヤでもあります。ですので、メータがなくなっても、HUDが残れば事業へのダメージは少ないでしょう。

さらに将来、自動運転レベル5(NHTSA/SAE定義)時代を考えると、メータ/HUDの両方がなくなる可能性もあります。メータやHUDは広い括りでは、ドライバーと車の対話のためのデバイスとも言え、自動運転車の商品性を担う部品になっていくことでしょう。映像、音声、HMIをいかにうまく使いこなすかが今後の生き残りのポイントになる気がします。